生活のすみずみにまで入り込む検索エンジン

8月 13th, 2005
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今週、国内サービスが立て続けにGoogle Maps APIへの対応を発表した。
・地図からのブログ検索サービス「maplog(マップログ)」
・地図から求人情報が検索可能な「Find Job!」
・映画館情報サービス「映画生活」
海外では、サンフランシスコ地域情報サービスのCraigslistと地図を結びつけたHousingMapsがすでに大人気らしい。米Yahoo!も「Yahoo! Maps Web Services」を開始したし、今後は生活情報サービスのほとんどがこうした地図に対応してくるだろう。サービス同士がスピーディにつながっていく、この様がまさにWeb2.0(伊藤直也の「アルファギークのブックマーク」)なのかと感心する。

上に挙げたのは地図の活用だが、それ以外でも検索エンジンは生活の隅々にまで入り込み、情報をランク付けしてユーザーに提示する。もはや検索エンジンなしでWebの情報にアクセスすることはできない。しかし、検索エンジンは広告収入によって収益を上げており、果たしてどこまで中立性を保っていられるのか? 特定の思想・信条に肩入れするということはないのか?
検索エンジン戦争こういうことを考える際、『検索エンジン戦争』が参考になるだろう。これは、ジェフ・ルート氏と佐々木俊尚氏の連載「そこが知りたい!検索エンジンの裏側」INTERNET Watch)などの原稿を元にした書き下ろし。検索エンジンの歴史から現在の三国志(Google vs Yahoo! vs MSN)、広告と検索エンジンの関係などが要領よくまとめてあり、今の検索エンジンの世界を一望できる。企業としてのGoogleの特異性や、SEOビジネス(著者の一人ジェフ・ルート氏はSEOの専門家でもある)の解説も読み応えあり。
今では、検索エンジンは空気のようになっている。なくてはならず、なおかつその存在を意識されないものになっており、既存の大手マスメディアよりもさらに強大な権力となっていく可能性も高い。こうした危機感に駆られた人々はオープンソースの検索エンジン「Nutch」を開発している。もしかしたら、将来的には検索エンジンのアルゴリズムをチェックする第三者組織も必要になってくるのかもしれない。

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