Archive for the ‘stereogram’ Category

MPEGでは立体コンテンツ用フォーマットの規格化が進んでいるらしい

火曜日, 10月 2nd, 2007
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私は立体写真やIMAX 3Dといった立体コンテンツが大好きなのだが、日本ではどうもこのあたりのジャンルは人気がない。しかし、MPEG(MPEGは映像の規格名であると同時に組織名でもある)では立体コンテンツのためのインフラを整えようという動きが着々と進んでいる模様だ。3Dコンソーシアムが開催した「技術部会および放送&実写WG共催勉強会」でのメモ。
MPEGのビデオに関する規格には「MPEG-C」がある。MPEG-C part3というのが「StereoScopicVideo Applications and Requirements」で、2Dのビデオ映像と奥行き情報(Photoshopのマスクなどと同じようにグレースケールで表現される)から立体動画を再生しようというもの。1枚の2D画像から立体画像を生成すると、手前の対象物と背景の間でズレができてしまうが(これをオクルージョン(occlusion)というようだ)、MPEG-C part3 v2では背景画像のレイヤーを別に用意することでこれをある程度解消しようとしているらしい。
多視点からの映像(例えば、左右の視点からの画像)を元にした立体映像を符号化する規格としては、MVC(Multi-view Video Coding)が2008年に標準化されるとのこと。MVCはMPEG-4 AVC(H.264)の拡張で、自由視点テレビや立体ディスプレイでの利用が想定されているようだ。MVC v1の入力信号は映像信号(例えば、左右の画像)だけだが、MVC v2ではMPEG-C part3で利用されているような奥行き情報も符号化できるようになる。
あと、立体コンテンツのためのファイルフォーマットとして、Stereoscopic MAF(Multimedia Application Fileformat)の策定が進められているらしい。これは、AVC/H.264やJPEGなど、既存技術を組み合わせて立体コンテンツをファイルベースで配信するためのもの。詳しいことはよくわからないが、例えば立体写真をStereoscopic MAFで保存しておけば、赤青のアナグリフや平行法/交差法の画像もビューア側で自由に生成できたりするかも?
このStereoscopic MAFは数社の韓国企業から提唱されているが、Stereoscopic MAFに限らず韓国は国を挙げて立体コンテンツに取り組んでいると聞く。テレビ放送のDMB、携帯電話などの分野でも立体コンテンツ配信のための技術開発/規格策定を積極的に進めているようである。最近では立体写真の撮影/閲覧ができる携帯電話なんてものも発売されたくらいだ。韓国ではオンラインゲームが日本よりもずっと盛り上がっているし、これが立体コンテンツを推進する背景になっているのかもしれない。

12月からBSで立体放送が始まる

日曜日, 9月 30th, 2007
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今年の12月1日、新しいBSチャンネル「BS11」(日本BS放送株式会社)が放送を開始する(無料放送)。BS11のキャッチコピーは「大人テレビ」で、団塊世代が満足できる内容の濃いコンテンツを提供していくとのこと。独自に開発した「360°バーチャル映像システム」とやらを使って、斬新な生放送を行うらしい。このシステムがどういうものなのかはまだよくわからないが、複数台のカメラからの映像をなめらかに切り替えるということか?
さて、BS11では何と「立体放送」を1日15分程度流すという。放送の方式は、有沢製作所とNHKテクニカルサービスによるXpol方式。偏光メガネをかけて見る方式である。
驚くべきことに、この方式に対応したテレビはまだ発売されていないし、発売の予定もまだ立っていない! 日本BS放送株式会社の親会社であるビックカメラの一部店舗では、対応テレビを設置して立体放送を流すらしいが。同社はBS11の放送をきっかけに日本の3D関連市場が活性化することを期待しているということで、こういうチャレンジをする「漢」おとこがいるというのは日本のテレビ業界もまだまだ捨てたものではない。私も立体写真好きとして、BS11の取り組みを応援したい。
ちなみに、通常のテレビでBS11の立体放送を受信すると、細長くなった画像が左右に並んで表示される。裸眼立体視できる人であれば、(比率は違ってしまうけれど)いちおう立体には見られるはず。大画面テレビの場合は相当画面から離れないといけないだろうけど。

立体写真の撮影/閲覧ができる携帯電話

日曜日, 9月 30th, 2007
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Sch-B710 1Samsung電子から、地上波DMBと衛星DMBの受信機能を搭載した携帯電話「SCH-B710」が発売された(マイコミジャーナル)。マイコミの記事では両放送の受信機能ばかり強調されているのだが、この携帯電話は何と立体写真の撮影/閲覧機能が付いている。個人的には、どう考えてもこっちの機能がメインだろう!と思うのだが。
さて、某所でSCH-B710の実機を見る機会に恵まれた。ディスプレイにはレンチキュラー(画像に奥行きがあるように見せるプラスチックレンズ)が貼られていて、表示される立体写真は立体感がよく出ている。撮影用レンズ間の幅が非常に狭いので別の機材で撮影したものかとの質問も出たが、SCH-B710自体で撮影したものだという。撮影したデータに対して、何らかの強調処理を施すことで立体感がよく出るようになっているらしい。
実売価格は日本円で約6万円。安くはないが、地上波DMBと衛星DMBが受信できて立体写真撮影/閲覧ができるなら、リーズナブルではないかと。
Sch-B710 2日本では当然地上波DMBと衛星DMBは見られないが、ステレオカメラとしてもかなり魅力的。ただし、画像のフォーマットは独自なので、読み書きするためのソフトウェアが用意されないと実用的に使うのは難しそうだ。Samsung電子も別に独自フォーマットで囲いこもうとしているわけではなく、現在立体写真用の標準的なフォーマットが確立されていないのである。
実は、現在国際的には立体映像の規格化が進んでおり、韓国はかなり積極的に取り組んでいるようだ。このあたりの話は別のエントリで。
以前、日本でもシャープが「SH251iS」、「SH505i」という裸眼立体視対応3D液晶ディスプレイを搭載した携帯電話を発売していた(立体写真の撮影機能はない)。撮影機能は無理にしても、コンパクトな3Dビューアをどこかが出してくれないものか。

夏の終わりの新江ノ島水族館

木曜日, 8月 30th, 2007
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8月の終わりに新江ノ島水族館へ行ってみた(で、例によって立体写真を撮影)。予想していたよりはるかに展示やショウが充実しており満足。ダイバーが水槽に潜るショウでは、水槽から出たダイバーがすぐに客前に飛び出してこられる仕組みがあって、ライブ感がよく出ている。最近発見された熱水域の生息環境を再現したエリアは、外見的には地味だけど、知的好奇心を大いに満たしてくれる。クラゲの特別展示も幻想的ですばらしい。
水族館内ではフラッシュをオフにして撮影するので、やはりもうちょっと感度が欲しいところ(撮影に用いたのはペンタックスのOption WP+Optio W10)。動きの速い生き物はなかなかうまく写せない。しかも左右で異なる機種のため、感度にも違いが出てくる。
水族館を出た後は、砂浜へ。これぞ日本の海水浴場という光景である(クリックで拡大)。

Enoshimama05

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横浜駅前の夜景

水曜日, 8月 29th, 2007
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横浜駅前の夜景の立体写真。窓越しに撮影した割には、まずまず……かな。最後にある2枚の写真は、横浜キリンビール工場にて(工場内は撮影できないので、案内所の入り口に置かれている昔の広告車とレストランのオブジェを撮影)。

Yokohama04

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鎌倉の立体写真

金曜日, 8月 24th, 2007
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鎌倉駅から小町通りを抜けて鶴岡八幡までぶらりと歩く。ついつい立体感のある被写体が気になってしまう。

Kamakura01

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立体写真で見る阿佐ヶ谷七夕祭り

木曜日, 8月 23rd, 2007
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8月4日(土)から8日(水)まで行われた阿佐谷七夕祭りの立体写真(クリックで拡大)。アーケードの天井からあれこれ作り物がぶら下がっている様子は、まさに立体写真にうってつけ。平行法でご覧ください。

Asagaya01-3


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石垣島で海中立体写真(その2)

火曜日, 7月 10th, 2007
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前回記事の続きで、石垣島で撮影した立体写真(ステレオグラム)。
Optio WPとW10ではレンズの高さが違うため、そのまま画像を横に並べただけだと立体視しづらい。しかし、手作業でこれを直すのはけっこう面倒だったりする。
そこで、「ステレオフォトメーカー」(むっちゃんさん作)を試してみると……これはすごい! 左右画像の位置調整から色の自動調整、遠近法調整まで自由自在。このおかげで、大量の立体写真もさくさく作れるようになった。それにしても、奥行きのうまい見せ方とか、立体写真は奥が深いなあ。精進せねば。
なお、以下の画像は平行法でも交差法でも見られるように、「左目用+右目用+左目用」の順で配置してある(クリックで拡大)。立体視の仕方については、ここなどを参照のこと。

0007.jpg

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石垣島で海中立体写真(その1)

土曜日, 7月 7th, 2007
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以前「HotWired」で「プロダクトMonkey」という企画を担当していた頃、テクノロジーライターの大谷さんに「立体写真の誘惑」という記事を書いていただいた。記事で立体写真(ステレオグラム)欲がかなりかき立てられたのだが、この時はそれっきりになってしまっていた。
だが、今年、石垣島へバカンスに出かける直前、唐突に立体写真欲がわき上がった! ふだんペンタックスの防水コンパクトカメラ「Optio WP」を愛用しているので、この機種と同じような性能の中古カメラを探し、「Optio W10」を購入。ストロボを固定するための金具で、下図のようにセッティングを行った。まあ、首からカメラを2台ぶら下げている姿はけっこう「変な人」だが、思ったより取り回しもいい。同じメーカーで操作体系もほとんど同じだし、バッテリも使い回せる。
3Dcameras.jpg

さっそく石垣島で写真を撮りまくってみた。立体写真を撮るのは初めてだから勝手も何もわからない。2台のカメラの設定を揃えて、できる限り同じタイミングでシャッターを切るだけだ。で、撮れた写真を横に並べて、交差法平行法で眺めてみると……ちゃんと立体に見える! こんなに簡単に立体写真が撮れるとは正直驚いた。
水中では姿勢も安定しないしさすがに難しいだろうと覚悟をしていたのだが、石垣島の米原海岸は腰の深さでも熱帯魚がうじゃうじゃいて、しかもあまり逃げないからけっこう写真が撮りやすい。ボール状のサンゴと魚の写真なんか、かなり立体感がよく出ていると思うのだけど、どうでしょう?

Ishigaki_3D_01.jpg

Ishigaki_3D_02.jpg

Ishigaki_3D_03.jpg

Ishigaki_3D_04.jpg

「その2」へ続く。