Archive for the ‘ecology’ Category

東工大 矢部孝教授の『マグネシウム文明論』英語版”The Magnesium Civilization”発売

月曜日, 12月 20th, 2010
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次世代エネルギーの分野で、私が期待を寄せているビジョンの1つが、東京工業大学の矢部孝教授が提唱する「マグネシウム循環社会」。この研究は、海水からマグネシウム化合物を取りだし、太陽光励起レーザーで金属マグネシウムに製錬。金属マグネシウムを、自動車用の金属燃料電池や発電所の燃料として利用するという壮大なものです。生成される酸化マグネシウムは太陽光励起レーザーで再度金属マグネシウムに戻されるため、利用・生成の過程で温室効果ガスを排出しません。また、太陽熱を利用した低コストな淡水化装置はすでに製品化が進んでおり、世界で進行している水資源問題への1つの解として期待されています。

2010年11月には、米国ニューヨークで開催された“The World Technology Summit & Awards 2010”において、矢部教授がエネルギー部門(個人)のトップ候補5名の1人に選出されるなど、研究は国際的な注目を浴びつつあります。

研究内容をまとめた『マグネシウム文明論』はPHP新書より発売中ですが、このたびPan Stanford Publishing社より、英語版の『The Magnesium
Civilization』
(定価:49.00USドル)が発売される運びとなりました。

なお、「マグネシウム循環社会」の最新情報につきましては、
・日本語:http://www.mgciv.com/blog/
・英語:http://www.mgciv.com/blog/?lang=en
・Facebookファンページ:http://www.facebook.com/mgciv
をご覧ください。

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赤道直下に花開く、環境空中都市「GREEN FLOAT」

金曜日, 11月 26th, 2010
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どうも今の日本には、おかしな閉塞感が漂っているような気がしてならない。その閉塞感は将来のビジョンが見えない不安から来ているのではないか? 政治でも経済でも、目先の混乱に対処するのに精一杯で、誰もが長期的な展望を描く余裕がないのかもしれない。
そんな中、清水建設が提案している「GREEN FLOAT」ビジョンは、ぶっ飛んでいる。赤道直下に直径3000mの巨大な浮島を作ろうというのだ。浮島には高さ1000mのタワーがそびえ、太陽エネルギーや上空の冷気を活用して、「カーボンマイナス」を実現するとしている。
海水中のマグネシウムを取り出して構造材として使うことを想定しているそうなので、東京工業大学 矢部孝教授の「マグネシウム循環社会」とも相性がよさそうだ。
『未来改造のススメ』で岡田斗司夫氏は、

太平洋のど真ん中に直径100kmの人工島を作って、そこを独立国にするんだ。もちろん、社会制度はベーシック・インカム。で、この国が輸出するのは、マグネシウムと電力。絶対いけるって。
どうせなら、島自体に動力を付けて、「ひょっこりひょうたん島」にしてほしいなあ(笑)。

と語っていたが、GREEN FLOATも赤道直下の海流に漂う浮遊式を想定しているそうだ。
こういう未来を考えると、とてもワクワクしないだろうか?
詳しくは、以下の記事で。

赤道直下に花開く、環境空中都市「GREEN FLOAT」 | WIRED VISION

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電池不要の「紙」端末が作るセンサーネットワーク

金曜日, 10月 29th, 2010
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00年代の初頭、ユビキタスコンピューティングの文脈で話題になった「センサーネットワーク」。身の回りに小型のセンサーを多数配置して、コンピュータに人間の状態を認識させ、よりよいサービスを作っていこう……というようなことが言われたのだけれど、こうしたセンサーネットワークが実用化されたという話はとんと聞こえてこない。
ところが、最近になってセンサーネットワークに関する話題が少しずつ出てくるようになった。それは、「エネルギーハーベスティング」の技術が進歩してきたから。要するに、センサー端末を電池レスにして、環境中にあるエネルギーで動作させられるようになってきたのだ。
東京大学大学院 情報理工学系研究科の川原圭博博士が、エネルギー源として注目しているのは「電波」。「紙」に印刷した安価なセンサーで、テレビなどの電波を受信してここから電力を取り出そうとしている。
詳しくは、下記の記事で。

・電池不要の「紙」端末が作るセンサーネットワーク | WIRED VISION

圧縮空気で走る自動車「catecar」

木曜日, 10月 7th, 2010
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次世代の自動車は、ガソリンのような内燃機関ではなく、電気モーターを採用したものになる……という考え方が世界の主流になりつつあるけれど、フランス企業のMDIが開発、スイス企業のCatecar SAが製造・販売する「catecar」が使うのは「空気」。圧縮した空気を使って走る空気自動車なのだ! タンクに入っている空気の圧力でクランクを回して走行する。空気ステーションが各所に配置され、ここから自動車のタンクに圧縮空気を供給。圧縮空気は風力や水力などの再生可能エネルギーを使って作る。
また、ガソリンやバイオエタノールなどで外気を熱することで、走行中に圧縮空気をタンクに溜めていくこともできるのだとか。その場合、100km当たりの燃料(ガソリン)使用量は2L程度。
「空気で走るなんてマジ?!」と思うんだけど、2011年の3月には最初の市販車製造が開始されるらしい。
これは気になる。

ソーラーファネルで、太陽電池の性能が100倍にアップ

日曜日, 9月 26th, 2010
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海外のニュースポッドキャスティングを聞いていたら、「ソーラーファネル(solar funnel)」という、妙にガンダムっぽい言葉が耳に飛び込んできた(ジオン公国の秘密兵器はソーラ・レイだったし、νガンダムはフィン・ファンネルを装備していた)。
ファネル(funnel)というのは「じょうご」のことだけど、MITが開発したこのソーラーファネルは光を伝える粒子「光子」を集める「じょうご」として働くのだそうだ。

・Solar funnel | MIT news

材質はカーボンナノチューブで、現在の太陽電池に比べて100倍の性能を実現できる可能性があるのだとか。太陽電池以外にも、太陽エネルギーを利用する技術にはいろいろ応用できそう。低コストでカーボンナノチューブを大量生産する技術も実用化されつつあるし、面白いことになるかもしれない。

コケが重金属廃水を浄化する

土曜日, 9月 25th, 2010
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『風の谷のナウシカ』では、腐海と呼ばれる菌類の森が有毒物質を浄化する様が描かれていたが、それを彷彿させる研究が理化学研究所で進んでいる。重金属を含む廃水をコケ植物を使って浄化し、さらに取り出した重金属もリサイクルしようというのだ。
詳しくは、下記の記事で。

コケが重金属廃水を浄化する | WIRED VISION

22億年前の「超温暖化」は地球に何をもたらしたのか?

金曜日, 8月 27th, 2010
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WIRED VISIONの「エコ技術研究者に訊く」では、環境やエネルギーといった問題の解決につながる研究を取り上げているのだけど、今回のテーマは22億年前の話。
地球の全土が氷に覆われる「全球凍結」をこれまでに何度も繰り替してきたというのは、最近になって科学界の定説になってきた。
東京大学大学院の田近英一博士は、どうやってこの全球凍結が終結したのか、あるいは生物進化にどのような影響を与えたのかを研究しているのだ。
地道な分析から驚くようなシナリオを導き出されていく過程は、実にエキサイティング。詳しくは下記の記事で。

22億年前の「超温暖化」は地球に何をもたらしたのか? | WIRED VISION

合成生物学で、生物学は「見る」から「作る」へ

木曜日, 7月 29th, 2010
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生物の全遺伝情報(ゲノム)が解読され、遺伝子組み換えも当たり前になった現代。はたして、生命を扱う研究はどこまで進歩するのだろうか。
慶應義塾大学の先端生命科学研究所では、新しい機能を持った微生物を生み出す研究に取り組んでいる。生命の探求は、いったいどこへ向かうのか? 最先端の「合成生物学」が目指す先を、板谷光泰教授、中東憲治准教授にお聞きした。詳しくは、下記の記事で。

合成生物学で、生物学は「見る」から「作る」へ | WIRED VISION

クモの糸が紡ぐ、繊維の新時代

木曜日, 7月 1st, 2010
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頼りなげに見えるクモの糸だが、その強度、しなやかさにはどんな合成繊維も及ばない。このクモの糸を合成して量産化しようとさまざまな研究機関や企業がチャレンジしてきたが、いまだ成功したところはない。だが、慶應義塾大学発のベンチャー、スパイバー社は独自の生産手法を開発し、量産化への道筋を付けつつある。
詳しくは、下記の記事で。

クモの糸が紡ぐ、繊維の新時代 | WIRED VISION

強度はこんにゃくの500倍、98%「水」でできた新材料

水曜日, 6月 9th, 2010
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こんにゃくに含まれる水分は、重量の96%くらいもある。しかし、こんにゃくを工業製品に使うことはできない。強度が低すぎるからだ。水を主成分としたゲル状物質、しかも簡単に材料を混ぜるだけでできる素材は、せいぜいこんにゃく程度の強度しかないというのが常識だった。
ところが、東京大学の相田研究室で開発された「アクアマテリアル」は、水分が98%もあるにもかかわらず、シリコンゴム並みの強度を備える。
アクアマテリアルは、どこでも簡単に製造できるため、医療、消化剤、さらには人工細胞まで幅広い分野での応用が期待されている。
この不思議なアクアマテリアルについて、相田教授にお聞きした。詳しくは、下記の記事で。

強度はこんにゃくの500倍、98%「水」でできた新材料 | WIRED VISION