Archive for the ‘OCW’ Category

オープンコースウェアを積極的に進める東工大

火曜日, 5月 23rd, 2006
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東工大がオープンコースウェアを積極的に推進しているというITproのニュース

東工大では今年4月にサイトをリニューアルし、アクセス数によるランキングと最新アップデートの順番で全講義を確認する機能を付けたことで参加教員にも張り合いができた。アンケートを受け付ける機能を備えているため、教員は閲覧者から講義についての意見を聞くことができる。

他の大学ではまだまだこういう当たり前の仕組みが用意されていなかったりする。個人、組織を問わず、自分のやっていることが他人の役に立っている、少なくとも関心を持ってもらっているという実感が得られないとモティベーションは上がらないんだよなあ(話はちょっとずれるが、このことは最近のさまざまな事件の背景にあるものだと思う)。特に、オープンコースウェアはすぐに利益に結びつく活動ではないし。

Web2.0てんこ盛りのeduCommons

日曜日, 4月 23rd, 2006
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京都大学で開催されたオープンコースウェア(OCW)の国際会議において、ユタ州立大学のDavid Wiley教授がeduCommonsというOCW向けのマネジメントシステムを紹介した。eduCommonsでは、大学の教員などが少ない手間で講義をOCWとして公開できるようにするためのシステム。今月公開される予定のeduCommons2.0では、ソーシャルブックマークのdel.icio.usとの連携、気になる講義についてのWikiを作成する機能、OCW間にまたがる検索など、「Web2.0」バリバリな機能が満載。ちなみに、Python、Zope、Ploneを使って構築されているとのこと。
Wiley教授は、オンラインコミュニティ形成についての専門家でもある。ちょっとお話しさせていただいたのだが、OCWがテーマの成功した学外オンラインコミュニティはまだないという。会話の中で彼が重要だといっていたキーワードが、「self-organizing」(自己組織化)。eduCommonsのWeb2.0機能はまさにself-organizingなコミュニティ形成を目指したものなのだろう。もちろん、ツールだけでコミュニティが簡単にできるわけではないけど。彼が語っていた成功するコミュニティの条件などについては、また別の記事で。
日本でもOCWを公開している大学は増えつつあるけど、実はそれぞれのコース自体はとてもクローズドだったりする。閲覧・学習した側からのフィードバックを個々のコースに直接は返せないし、ディスカッショングループもない。直接コメントやトラックバックなどを受けるようにすると「荒らし」が起こる可能性もあり、大学側はそれを懸念しているとのこと。ただ、何らかのデータ連係の仕組みがあれば、「人気OCWランキング」のような勝手サイトも立ち上がってもう少し盛り上がるのではないかと思う。すでにOCWでは、IEEEで標準化されたLOM(Learning Objects Metadata)というメタデータを利用しているのだが、これを外部の人間も自由に活用できるようになれば面白いことになるかもしれないと期待している。

オープンコースウェアの国際会議

日曜日, 4月 23rd, 2006
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大学の講義資料をインターネット上に無料公開していこうというオープンコースウェア(OCW:Open CourseWare)。2001年にMITで始まったこのプロジェクトは世界各地に広まり、4月20日には京都大学で国際会議が開催された。国際会議の開催と同時に、日本OCW連絡会は、日本OCWコンソーシアム(JOCW)として再出発し、参加大学、公開コースも大幅に増やしたいという意気込みを見せる。

(さらに…)

東大のポッドキャスティングでOCWも盛り上がるか?

木曜日, 4月 13th, 2006
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2001年にMITから始まったオープンコースウェア(OCW)は、大学の講義教材をオンライン上に無料で公開しようというプロジェクト。2005年5月には日本OCW連絡会も発足してOCWが一挙に盛り上がる……かと思ったのだが、本家MITも含めて当初の構想通りに盛り上がっているわけではない模様。一部の講義(例えば、6.170 Laboratory in Software Engineering, Fall 2001など)は人気を集めているが、こうしたOCWの教材を使って勉強していこうという大規模なコミュニティはほとんど形成されていないようだ(eX Reading Internet Radioのように個人でのトライアルを公開しているブログはある。すごいなあ)。
各大学のOCWサイトを訪れても、正直どこから手を付けていいものやらわからないのだ。体系的に何らかの知識を学びたいと思っても、それにはどうすればいいかという手がかりが少ないように思う。また、ビデオまで用意している講義はそれほど多いわけではないし、ビデオがあっても固定アングルの映像を90分間見続けるのはかなりしんどい。以前OCW関係者に話を聞く機会があったのだが、大学側としては、大学間での情報交換とか受験生に対するアピールに重きを置いているという印象を受けた。
そう思っていたら、東京大学が講義のポッドキャスティングを開始したというニュース。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊教授や宇宙論の佐藤勝彦教授ら、超有名どころの学術俯瞰講義が聞ける。視聴してみたところ、ほんのさわり(冒頭の20分)しか収録されていなかったのでがっかりしたが、どうやら1つの講義を何回かに分けて放映するようだ。専門知識のない人でも楽しめそうな講義が、出先でも気軽に聞けるというのはすばらしい。ちなみに、学術俯瞰講義 2005「物質の科学」では1つの講義丸ごとのビデオ教材を見られる。ただ、このビデオ、Windows版のInternet Explorerでしか再生できないというのが困りもの。東大って、iMacを一括導入したんじゃなかったっけ? まあ、それはともかく、大学側もOCWについては本腰を入れ始めているようなので、このあたりはしっかりチェックしていきたい。
4月20日には、京都大学でOCWの国際会議も開催される。大学側がOCWについてどのように考えているのか、この会議でかなりはっきりするだろう。