東大のポッドキャスティングでOCWも盛り上がるか?

4月 13th, 2006
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2001年にMITから始まったオープンコースウェア(OCW)は、大学の講義教材をオンライン上に無料で公開しようというプロジェクト。2005年5月には日本OCW連絡会も発足してOCWが一挙に盛り上がる……かと思ったのだが、本家MITも含めて当初の構想通りに盛り上がっているわけではない模様。一部の講義(例えば、6.170 Laboratory in Software Engineering, Fall 2001など)は人気を集めているが、こうしたOCWの教材を使って勉強していこうという大規模なコミュニティはほとんど形成されていないようだ(eX Reading Internet Radioのように個人でのトライアルを公開しているブログはある。すごいなあ)。
各大学のOCWサイトを訪れても、正直どこから手を付けていいものやらわからないのだ。体系的に何らかの知識を学びたいと思っても、それにはどうすればいいかという手がかりが少ないように思う。また、ビデオまで用意している講義はそれほど多いわけではないし、ビデオがあっても固定アングルの映像を90分間見続けるのはかなりしんどい。以前OCW関係者に話を聞く機会があったのだが、大学側としては、大学間での情報交換とか受験生に対するアピールに重きを置いているという印象を受けた。
そう思っていたら、東京大学が講義のポッドキャスティングを開始したというニュース。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊教授や宇宙論の佐藤勝彦教授ら、超有名どころの学術俯瞰講義が聞ける。視聴してみたところ、ほんのさわり(冒頭の20分)しか収録されていなかったのでがっかりしたが、どうやら1つの講義を何回かに分けて放映するようだ。専門知識のない人でも楽しめそうな講義が、出先でも気軽に聞けるというのはすばらしい。ちなみに、学術俯瞰講義 2005「物質の科学」では1つの講義丸ごとのビデオ教材を見られる。ただ、このビデオ、Windows版のInternet Explorerでしか再生できないというのが困りもの。東大って、iMacを一括導入したんじゃなかったっけ? まあ、それはともかく、大学側もOCWについては本腰を入れ始めているようなので、このあたりはしっかりチェックしていきたい。
4月20日には、京都大学でOCWの国際会議も開催される。大学側がOCWについてどのように考えているのか、この会議でかなりはっきりするだろう。

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