水と生命の不思議な関係『水とはなにか』

10月 30th, 2008
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水とはなにか―ミクロに見たそのふるまい (ブルーバックス 335)30年以上前に出版されたブルーバックスの『水とは何か』は、現在も版を重ねていて私が購入したのは第51刷。
分子レベルから水と生命の関係を解き明かすという本書は、私のような門外漢にもかなりの感動を与えてくれた(化学知識がなくてよくわからず、スルーしてしまったところも多いのだけど)。
中でも、印象に残ったのが、分離圧と温度変化の関係。水の中で2枚のガラス板をぴったり合わせると、板を引き離すために相当の力(分離圧)が必要になる。この分離圧は温度によって変化するのだが、これが単純に温度に比例するわけではないそうなのだ。分離圧は、15、30、45、60℃で最大を示す。
当然、生物の体内は多くの水を含むのだけど、生体内の隙間に入り込んだ水は、2枚のガラスに挟み込まれた水と同じような性質を示すのではないかというわけ。
研究によれば、生物の生存最適温度は、みな15、30、45、60℃を避けた範囲にあるらしい。ふーむ、こういう研究結果が、生物学や農業、歴史研究なんかを支えているのだなあと、改めて感心したのであった。

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