Office2007のODF対応が示唆するマイクロソフトの戦略転換

7月 7th, 2006
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マイクロソフトが、Office 2007でのODF対応を発表したというニュース(ITpro)。これからのデータ形式はネット上であれ、ローカルなパソコン上であれ、すべてXMLがベースとなるというのは衆目の一致するところ。しかし、オフィスソフトの文書形式としては、「Open Document Format(ODF)」と、マイクロソフトがOffice2007で標準形式にしようとしている「Open XML Document」が対立している状態だ。
今回のニュースは、Open XML Document形式をODF形式に変換するツールを提供ということであり、Office 2007自体が直接ODFをサポートするわけではないようだ。それでもこのニュースは、マイクロソフトの持つ危機感を表しているようで興味深い。これは、もしかするとマイクロソフトがCGM(Consumer Generated Media:消費者側が生成するメディア)の価値を高く評価するようになってきたということなのかも。つまり、独自形式で顧客を囲い込むより、価値の高いコンテンツをOfficeからシームレスに利用できた方が得策という考え方だ(Googleをはじめとする今時の企業からすれば今さら何をという感じだろうが)。
直接の関係があるかどうかはわからないが、GoogleはGoogle Spreadsheetという表計算サービスを開始している。Google Spreadsheetでは、複数人が1つの表を共有して作業を行うことも可能だ。今後、インターネットを介した文書共有などを展開していく場合、マイクロソフト独自形式はもはや足かせにしかならないと考えた、というのはちょっと希望的観測が入り過ぎかな。

2 Responses to “Office2007のODF対応が示唆するマイクロソフトの戦略転換”

  1. MAKOTO3 Says:

    こんちわ。
    「Open Document Format(ODF)」と「Open XML Document」の詳細は知らないんですが、「独自形式で顧客を囲い込むより?」といった面も否定はできませんが、じつはもっと単純で、「Officeシステムの中で流通させるデータとしてXMLの方が楽じゃん」ということだと思いますよ。Officeそのものがサーバも巻き込んだ巨大なシステム(まさにOffice System!)だから、そこでWordだけとかExcelだけとかいった固有データ扱っててもはじまらない、ということかと。ついでに、XMLにしておけばOffice Systemの外の仕組みとの流通にも都合がいいってことかと。

    その点、過去のデータ(資産)を気にしなくていいGoogleは気楽でいいなぁ、とかも思います。そもそも、Gmailとか、サーバ上ではどんな形式で保存されてるんだろ? XML形式なのかなぁ???

  2. Tats_y Says:

    ああ、なるほどー。中で使うデータとしてのXMLのメリットは大きそうですね。それにしても、ODFに歩み寄ることはできないもんなんすかね。
    Googleは確かにXMLをガリガリに使ってそう。XMLデータベースを社内で独自開発していたりするんでしょうか。

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