『ガンダムイボルブPLUS』視聴記

9月 26th, 2003
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予約したガンダムイボルブPLUSのDVDをローソンで受け取った。さっそく見てみる。
ガンダムイボルブは、3DCGによるガンダムをテーマにしたショートムービーだ(EVOLVE1を除く)。プラモデルのプロモーション用フィルムに、新作1話を加えてDVD化したものがガンダムイボルブPLUSで、全5話が収録されている。


まず、EVOLVE1はファーストガンダムを再編集したもの。最後の発進シーンのみ新作カットとなっている。
EVOLVEIIは、『Zガンダム』に登場するガンダムMk-IIの月面での模擬戦を描いた作品。モデルのディテールは今見るとやや古さを感じる。しかし、開発メーカーのPRフィルムをイメージした映像や、いかにもコンピュータチックなコクピット、モビルスーツの透視図など、メカ好きをそそる構成だ。
EVOLVE3は、『Gガンダム』を元にしている。拳法家の演舞を撮影し、それをトレースしてCGに起こしたものだという。指先の動きまで表現するために、あえてモーションキャプチャを使わなかったそうである。動きがまったくロボットらしくなく、本当に人間が入って演舞しているかのようだ。見えないところではパーツの食い込みがあったりするらしいが、私が視聴している限りでは、そういうことにはまったく気付かなかった。
EVOLVE4は、『機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー』が原典。個人的に0083のストーリー・演出は……まあなんというかだが……巨大ガンダム「RX-78 GP03 デンドロビウム」のデザインには驚かされた。これが縦横無尽に動き回る。デンドロビウムの圧倒的な巨大さ、大量のミサイルが雨あられと降り注ぐ様子にはカタルシスを感じるはず。武器をアームでつかむシーンがあるが、正確なモデリングのままだとうまくつかめないため、腕をびょーんと伸ばすなど色々細工しているらしい。モビルスーツのアップも多いが、よくぞここまで作り込んだというほど、ディテールが細かい。
そして、完全新作がEVOLVE5の『逆襲のシャア』だ。『デジタルガンダム RX-78編』での取材時(2002年11月)にはすでに完成していたのだが、一般公開はこれがはじめてだ。以前にも書いたが、いわゆる3DCGともセルアニメとも異なる質感で、なおかつ極めて緻密に描き込まれたモビルスーツが動く動く。νガンダムやアルパジールのデザインもまったく新しくなっている。
どれも映像として新しいチャレンジを試みており、濃いめのガンダムファンであれば楽しめるはずだ。ただし、それぞれの話は5分程度で、物足りなさを感じるのも事実。32分で4800円という価格は、制作・販売形態を考えれば仕方ないとはいえ、一般的に考えればかなり割高だろう。
しかし、イボルブで培われた技術が今後どのように活かされるのか、非常に興味深い。「リアル」に作れるということは本当の迫力につながるのか?手描きアニメであれば可能であった極端なパースやデフォルメをCGでどう表現するのか? 封入されているブックレットには、

そして最後は、ハイエンドとは逆方向です。『ガンダムイボルブ』で積み上げたノウハウを活かし、よりカジュアルで量産の効く手法としてフル3DCGによるアニメーション作品を制作することです。この第3の可能性については、このDVDがリリースされるころには、何か具体的な結果が出ているかもしれません。ガンダム的には、驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ楽しみにしていてください。

とある。これは、TVシリーズ『ガンダムSEED』のことなのか、PS2版『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』のムービーなのか、それともまったく新しいガンダムを指しているのかはわからないが。技術のみならず、制作ワークフローの効率化という面でも、3DCGはロボットアニメーションを大きく変えそうだ。

……というわけで、例によって宣伝です。3DCGソフトのShadeで、自由自在にファーストガンダムのシーンを作れる「デジタルガンダム」シリーズ、好評発売中。ジオラマコンテストも開催中!

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