福祉についての記事
2005年09月30日
今度は「書ける」点字ディスプレイ
国際福祉機器展2005(H.C.R.2005)の展示から。
H.C.R.での展示が楽しみなメーカーとして、ケージーエスがある。動画を表示できる点字ディスプレイや、Bluetoothのワイヤレス通信を取り入れたPDA的な製品を出展したりして目が離せない。
そして、今年登場したのが、「書ける」点字ディスプレイ。点字を表示する盤面に、専用のペンで「書く」とその部分が盛り上がり、接続したパソコン側にも画像として表示される。自分の書いた絵や字をなぞって確かめられるのだ! 動画ディスプレイの時は正直いって実用性はどうなんだろうと思ったが、この「書ける」ディスプレイは教育やレクリエーションなどの分野で大いに役立ちそう。
もう1つ、ユニークな製品が点字プリンタ。画像を7段階の濃淡(というかドットの高さ)で表現できる。テキストも点字として印刷されるが、対応しているのは英語のみ。現在、日本語対応を進めているところだという。
2005年04月14日
Spotlightはローカルドライブのみに対応
Mac OS X v10.4 "Tiger"の説明会が開催された。新機能説明はこれまで多くのメディアで取り上げられてきたとおりだが、個人的に気になったことをアップルの担当者に質問してみた。
まず、デスクトップ検索機能のSpotlightは、ネットワークドライブ上のファイルも検索可能なのか?
これに対する回答は、「現時点ではローカルドライブのみに対応」とのこと。WindowsのデータもすべてNASにぶち込んでSpotlightで検索しようともくろんでいただけに、非常に残念。FireWire接続の大容量HDDをMacにつないで、Windowsと共有するか……? なお、アップルでは、ネットワークドライブへの対応も今後の課題として考えているという。
もう1つ、VoiceOverや音声認識、音声合成の日本語対応はいつになるのか?
「ユーザー様のお声次第です」
えー。米国ではユニバーサルアクセス機能を装備することが法律で義務づけられているのに対し、日本にはそうした法律がない。だから、要望をアップルに寄せてほしいそうだが……。音声認識、音声合成の日本語対応が実現すれば、さまざまな施設や学校などでMacの導入が進むと思うんだけどね。
2004年10月15日
障害者の支援ツールとして活用されるPDA
国際福祉機器展2004(H.C.R.2004)より。
明電ソフトウェアは、PDAを使用した障害者支援ソリューションを展示していた。
「メモリアシスト」は高次脳機能障害向けのツール。新しい作業を覚えられない、過去の出来事を思い出せないといった場合に、作業手順などを記憶させておく。データはパソコンからもPDAからも入力可能で、画像や音声を組み合わせることもできる。ユーザーインターフェイスも利用者自身が使えるように工夫されているという。
もう1つの「トークアシスト」はコミュニケーション支援ツール。画面上の視覚シンボルに触れることで自由に文章を作成でき、音声出力も可能。あらかじめ300種類の言葉と絵が格納されており、パソコン上でシンボルや音声の追加もできる。使われているシンボルは、以前に紹介したPICシンボルではなく、UDST(Universal Design Symbol for TalkAssist)を使用している。
メモリアシスト、トークアシスト共に、Pocket PC上で動作する。これらのツールは、PDAを含むセットのほか、ソフトウェア単体でも販売されるとのこと。
2004年10月14日
白杖を認識する音声案内システム
国際福祉機器展2004(H.C.R.2004)より。
視覚障害者向けの案内システムというと、RFIDタグ(無線ICタグ)を埋め込んだ杖をリーダーが認識して、必要な情報を利用者に送信するといったものが話題になっていたりする。しかし、こういうシステムは大がかりで(利用者側にも設備を作る側にも)コストもかかるし、導入するためには地方自治体、役所等々、さまざまな組織の協力も不可欠だ。
それに対してNECとTOAの音声案内システムは、極めてシンプル。駅や建物内に普通のカメラを設置。そのカメラに白杖が映ると、それを認識して音声案内や係員の呼び出しを行う(写真は白杖を認識したところ。白杖が赤く表示されている)。これなら導入も容易だし、けっこう効果も期待できそうだ。発想の転換で、大がかりでなくとも効果的なシステムは組めるものなのだな。
2004年10月13日
パワードスーツ、道半ば
国際福祉機器展2004(H.C.R.2004)より。
日立メディコは、東京理科大学と共同研究中のマッスルスーツを参考出品。これは、空気圧式の人工筋肉で、着込めば利用者の筋力を補助してくれる、つまりパワードスーツだ。要介護者の動きを補助したり、肉体労働者の筋力補助、スポーツ選手の動きを再現といった用途が考えられている。デモでは腕の複雑な動作をいろいろ再現して見せていた。
現在は上肢の動作をできるハードウェアができたところ。プログラムした通りに動かすことはできるものの、利用者の動きをトレースすることはまだできない。下半身部分もまだ研究中。
しかし、以前テレビで見たようなスーツに比べて(それがマッスルスーツだったかどうかは定かでないが)、かなり小型化されてきてはいるようだ。
ワイヤレスで点字を読む・書く
東京ビッグサイトでは、15日まで国際福祉機器展2004(H.C.R.2004)が開催中だ。IT関係で目に付いた製品をいくつか紹介する。
昨年も紹介したケージーエスは、点字ディスプレイの新製品「ブレイルメモ BM24」を展示していた。この製品は、何とBluetoothを搭載。パソコンからBM24に、文書データをワイヤレスで転送して、点字として表示する。ディスプレイといいつつ、点字入力キーも備わっており、メモやスケジュールを書き込んだりもできるPDA的な製品なのだ。昨年に発売された製品よりも大幅に小型化されて、本体重量も1kgに収まっている。価格は、238,000円(非課税)。
ネット上の音声をiPodに自動配信
Hotwiredで「PodCasting」(ポッドキャスティング)という新しい技術が紹介されている。これは、ブログとインターネットラジオを組み合わせて、iPodにぶち込むようなものだ。
ブログなどでは、RSSやAtomというメタデータでサイトの要約(フィード)を配信しており、これをRSSアグリゲーターで読める。一方、PodCastingも同じようにデータを配信するのだけど、送られてくるのはオーディオデータなのだ。
面白そうなコンテンツをPodCastingしているサイトを見つけたら、iPodderなどのPodCastingアグリゲーターにサイトのフィードを入力しておく。そのサイトが新しいコンテンツを公開したら、PodCastingソフトが自動的に受信してiTunesに登録してくれる。で、そのままiPodで持ち出して聞けばいい。
私もiPodderを使ってみたが、確かに手間いらずで、iPodがラジオになってしまったようだ。
PodCastingコンテンツが充実してくるのはまだこれからだけど、新しいニュース配信ビジネスも起こりそうな気配。個人レベルで手軽に配信できるし、福祉の分野でも歓迎されるのではないだろうか。
2004年04月28日
メールをiPodで「聞く」ソフト
Newton-EIGが開発中の「Ear Mail」はiPodでメールを「聞く」ためのソフト。ゴールデンウィーク限定(4月27日から5月10日まで)のベータ版が用意されているのでさっそくダウンロードして使ってみた。
使い方は実に簡単で、Mailでフォルダを選択して、Ear Mailのボタンをクリックすると、メールを読み上げた音声ファイル(AIFF、MP3、AACのいずれか)が生成される。iTunes用のEar Mailプレイリストが作られるので、メールの音声ファイルだけをすぐに探し出せる。差出人名がアーティスト名に、受信日時がアルバム名になり、ジャンルは「Mail」に設定される。
HTMLメールはうまく読み上げできなかったが、日本語のメールも思った以上になめらかに読み上げてくれるのでちょっと驚いた(Mac OS Xはスピーチ機能を備えているが、日本語には対応していないから、アプリケーションは個別に日本語対応しなければならない)。もちろん、iPodを持っていればiTunesから転送して外出先で聞くこともできる。
私は自宅で仕事をしているから外でメールを聞くことはあまりなさそうだが、人によっては通勤電車でざっとメルマガの内容を確認したり、英語の勉強に使ったりできるかもしれない(合成音声でリスニングの勉強は難しいかな)。また、工夫次第では視覚障害者の有効なコミュニケーション手段になる可能性もあるのではないか。
2004年04月15日
コミュニケーション用の絵記号300語、JIS規格化
2004年4月15日付の朝日新聞朝刊によれば、「PICシンボル」300語がJIS規格化される見通しになったとのこと。PICは1980年代にカナダで開発された絵記号で、障害者のコミュニケーションや、外国人の日本語学習教材に利用されている。日本PIC研究会のWebページは、こちら。
実は、私もだいぶ前(99年ころ)からPICに興味があって、関連書籍を購入したりしていた。Palmのプログラミングを勉強しようと思っていたので、Palm上で動くPICのコミュニケーションツールを作ってみようかと思っていたのだ。アイコンデータはないかと探したら、パソコン用にPIC DICというものが出ていた。ただこのソフトが高かったのと、日本PIC研究会が関西中心に活動していること、あとPalmプログラミングが難しかったこと(とほほ。そのころはCodeWarriorくらいしかなかったし(←言い訳))等々により、あっさり挫折してしまった。
PICシンボルがJIS化されれば、アイコンデータの入手ももっとしやすくなるだろう。フォントとして提供するメーカーも出てくるのではないか。Unicodeなどの文字集合に取り入れられればさらにすばらしい。そうなれば、パソコンやPDA用アプリケーションのアイコンをデザインする手間もだいぶ軽減されるかもしれない。
上の記事では、
日本PIC研究会員で、JSA(日本規格協会)の調査委員会の一員としてJIS化に取り組んだ井上智義・同志社大学教授は「言語障害者や高齢者の会話用だけでなく、言葉の通じない外国でこのソフトが入ったパソコンかカードで買い物をすることも可能」と話している。と書かれている。確かにPICシンボルの解説書を読んでいると、これならかなり細かいところまで意思疎通できるのでは!という気になってくるのだ。今後の展開に期待大。
2003年10月16日
立って動ける車椅子
国際福祉機器展H.C.R.2003で残念ながらiBOTのデモは見られなかったが、ペルモビールというメーカーから、立った状態でも(もちろん座っても)運転できる車椅子が出展されていた。

移動に関する機器としては、ほとんどの自動車メーカーから車椅子対応の新車種が発表されていた。特に、三菱LANCERにはロボットアーム付き仕様まである! これは車椅子を利用しているドライバー向けで、リモコンを操作すると後部座席からアームが出てきて車椅子を収納できるようになっている。


PDAで新聞を「聴く」
国際福祉機器展H.C.R.2003で、日本通信は「ユビキタス・ラジオ」を展示していた。これはWebページを巡回してPocket PCに取り込み、それをText to Speechで読み上げるというパッケージ製品だ。

ハードウェアはPocket PC 2002搭載のPDAに、同社のb-mobileを組み合わせたもの(一般のインターネット接続はできない)。コンテンツ内容を見ると、「毎日インタラクティブの一部」「Sankei Webの一部」「SANSPO.COMの一部」「大前研一通信の一部」「Digital トゥデイ」「青空文庫」となっている。「一部」というのがどれだけかは気になるが、コンテンツの充実次第ではけっこうお得かもしれない。
動画も表示できる点字ディスプレイ
明日16日まで、東京ビッグサイトで国際福祉機器展H.C.R.2003が開催されている。私も行ってみたが、すごい人の数で大変な盛り上がりようだった。同展で見かけたIT関連機器について、いくつか紹介してみたい。
まずは、ケージーエスの点字ディスプレイだ。盤面から小さな突起がせり上がって、ディスプレイ上の文字を点字として「表示」してくれるデバイスだ。これまでは、文字データを1行単位で表示する製品しかなかったが、今回参考出品されていた製品ではなんと「動画」まで表示できてしまう。ディスプレイ上でさまざまな図形が踊ると、それに合わせて指の下で突起が上下するのだ。
